けんたくん 岡山店

健康管理のヒントが満載!

2019年02月

白米を玄米などに置き換えることを奨励
 
研究チームは、
165品目の食品について摂取量やパターンを調べ、
これらに含まれる栄養素を解析し、
5つの食事パターンがどの程度当てはまるかを調べた

参加者は平均11年間にわたり追跡調査され、
その後の追跡調査を含め、
5,207人が糖尿病を発症した

その結果、5つの食事パターンがあてはまるほど、
2型糖尿病のリスクが低下することが明らかになった

これらの食事パターンとの類似性を示すスコアの上位20%に含まれる参加者は、
下位20%の参加者に比べ、糖尿病リスクが16~29%した

なお、喫煙者ではこの傾向は弱くなることも分かった

「食事ガイドラインで健康的な食事を奨励することで、2型糖尿病や心臓病などの疾患のリスクを下げられることが示唆されています」と、この研究の主任研究員でデュークNUS医科大学臨床科学部教授のコー ウーン ピューエイ氏は言う

「今回の調査では、主食である米の摂取量と2型糖尿病のリスクの増加との関連は見られませんでしたが、精白された米を食べることは、玄米や全粒粉パンなどの全粒穀物の摂取を減らすことにつながります」と、ピューエイ氏は指摘する

米を主食とすること自体が糖尿病のリスクを上昇させるわけではないが、
玄米などの精白されていない穀類に置き換えることで、
2型糖尿病のリスクを18%減らすことができることが示された

一方で、1日で1食の主食を赤身肉や鶏肉に置き換えると、糖尿病リスクは40%上昇するという

代表的なダイエット法を検証

「シンガポール・中国ヘルススタディ」は、中国系シンガポール人を対象に、
欧米式の食事スタイルや生活スタイルが、2型糖尿病やがん、
虚血性心疾患(CAD)などの発症にどう影響するかを調査した大規模研究

45~74歳の中高年約6万3,000人が対象になった

研究チームは今回の研究で、1993~1998年に登録された糖尿病を発症していない4万5,511人の中高年を対象にデータを解析した

研究チームは、欧米で考案され一定の評価を得ている
「地中海式ダイエット」
「DASHダイエット」
「健康な食事インデックス2010」
など、代表的な5つのダイエット法について検証した
 

● 地中海式ダイエット(MED)
 
地中海沿岸を中心に発達した食事スタイル

▼野菜、果物、穀類、豆類、ナッツ類など、植物性食品を豊富に摂る
▼不飽和脂肪酸の多いオリーブオイルを豊富に摂る
▼魚を週に2回以上食べる――

といった特徴がある


● DASHダイエット

 
DASHとは「高血圧を防ぐ食事方法」のこと

▼塩分を控える
▼飽和脂肪酸を抑え、不飽和脂肪酸を十分に摂る
▼野菜は1日350g以上
▼全粒粉など精製されていない穀類を摂る
▼糖質を控える――

といった特徴がある
 

● 健康な食事インデックス2010
 
米国保健福祉省(HHS)などが策定した
「米国人のための食事ガイドライン」に準じた食事スタイル

野菜や果物、全粒粉などの穀類、低脂肪牛乳などの乳製品、脂身が少ない肉、
飽和脂肪酸ではなく植物油を摂ることを奨励している

これらのダイエット法は、2型糖尿病や心血管疾患のリスクを減らすことを示した研究が多く、質の高い食事療法と考えられている
 
「高い評価を得ているダイエット法のほとんどは、全粒穀物、野菜、果物、ナッツ類、大豆、マメ類など、加工度の低い自然な食品を十分に摂り、赤身肉や加工肉を食べ過ぎず、高カロリーの清涼飲料を避けることを勧めています。こうした食事スタイルは効果があることが明らかになりました」と、シンガポール国立大学公衆衛生学部のロブ ヴァン ダム教授は言う

糖尿病のリスクを減らす食事
 
研究は、シンガポール国立大学公衆衛生学部とデュークNUS医科大学が共同で行ったもの

詳細は医学誌「American Journal of Epidemiology」「European Journal of Nutrition」に発表された

 
研究者が2型糖尿病のリスクを減らすために確実に効果があると考えているのは次の4点だ――

▼適切なエネルギーを摂り、食べ過ぎないようにする
▼野菜や果物、全粒穀物などの植物性食品の摂取量を増やす
▼加工肉などの動物性食品の摂取量を減らす
▼高カロリー飲料やお菓子などの糖質の多い食品を控える

いずれもシンガポール人や中国人を対象とした研究だが、
両国は日本と同じ南東アジア地域に位置しており、アジア人であるという共通点がある

体質は日本人に似ており、欧米式の食事スタイルが急速に普及し、運動不足が増え、
結果として肥満や2型糖尿病が増えるなど、共通した社会環境をもっている

日本人にとっても参考になる情報だ

糖尿病と経済格差
 

日本医療政策機構の世論調査によると、
日本では「医療は社会全体で支え合うべき」と考えている人が多い

日本の医療保険制度では、年齢や所得に応じて、自己負担比率が決まっている

また、所得の多少に関わらず、同じ疾患について、同じ治療が行われれば、
同じ診療報酬と薬剤費が必要となり、治療にかかる負担は平等だ

また、医療費が高額になる場合は、「高額療養費制度」と呼ばれる、
自己負担の上限を定める仕組みがある

所得の低い層では、望ましい医療制度として「低負担低給付・平等」型を求める声が多い

これは、標準的な公的医療を国民に等しく給付しながら、所得の多い層の負担を増やすなどして、
社会保険料の負担を抑えるという考え方

所得の低い層では、価格の安い後発(ジェネリック)医薬品を効果的に使うなど、
医療費が少なくて済む、費用対効果の高い治療法を望む声も多い

女性で格差が顕著 社会的な要因が影響
 
死亡率や要介護リスクに社会経済的な要因が関わっていることが知られている

糖尿病をはじめとする慢性疾患には、
必ずしも患者の食生活や運動習慣など当人の責任に帰する生活習慣だけではなく、
その生活習慣を規定する社会的な要因が影響していると考えられる

所得が低い層は、何らかの精神的ストレスを抱えているなどの要因で、
医療機関を繰り返し受診したり、仕事ができなくなってしまうことも知られている

今回の研究はそれを裏付けるものだ

英国、米国、中国、韓国など、各国のデータ分析でも、
糖尿病の有病率に所得格差、教育格差があることが示されている

また、糖尿病の有病率における格差には男女差があり、
女性で格差が顕著である傾向があることも分かっている

「所得などの背景要因に目を向け対策を講じることは、糖尿病のコントロールや医療費適正化に資する可能性がある」と、研究者は指摘している

このページのトップヘ