睡眠を改善するための能動的な取組みが必要

 
続いてプロジェクトメンバーの東京家政大学人文学部心理カウンセリング学科の岡島義准教授が、
睡眠の役割や睡眠不足が健康・生活に及ぼす影響について解説

睡眠の役割を受動的なものと捉え、「活動して疲れたから眠る」と考える人が多く、
「短時間睡眠でパフォーマンスを上げる方法を知りたい」といった問いをもらうことが多い

しかし、睡眠科学の分野では「眠るからこそパフォーマンスが上がる」という研究結果が示されており、睡眠の役割は能動的なものであるという認識がある

眠りにつくと、まずNon-REM(ノンレム)睡眠という深い睡眠に入っていく

ノンレム期には成長ホルモンなどが分泌され、
体のメンテナンスや記憶の固定に重要な役割を担っているとされている

入眠から時間が経過すると徐々にREM(レム)睡眠という段階に入っていく

レム期では夢見体験が多く、記憶の固定や感情の整理などの役割があると考えられている

睡眠不足は心身の健康や日中のパフォーマンスに大きな弊害をもたらし、
風邪を引きやすくなったり、高血圧や肥満の割合が増加したり、
2型糖尿病の発症リスクが上がったりする

また、睡眠不足は抑うつ感を高める一方、
レム睡眠の出現があると幸福感が高まり不安感が減少するという研究結果がある

慢性的な睡眠負債に陥いり眠気を自覚しにくくなり、
会社や学校でパフォーマンスが非常に低下した状態(プレゼンティズム)にある人が多くいる

睡眠不足による日本の経済損失は、年間で約15兆円と試算されている

たばこの害による経済損失が約2兆円超と推計されているので、
睡眠不足の影響力がいかに大きいかが分かる

睡眠不足は問題が顕在化しにくいが、
能動的に睡眠をとることが経済損失の抑制につながると考えられる

充実した1日を過ごすためには、睡眠の役割を正しく認識することが重要だ