運動の炎症抑制・抗老化効果を解明

 
研究グループは、普通に運動をしているマウスで、力を感知するタンパク質Casが骨細胞の核内に分布し、細胞・組織の炎症・老化に関与するタンパク質NF-κBの活性が低下することで、
骨破壊へのプロセスが抑制されていることを発見した

マウスの片方の後ろ足の運動性を低下させ、
マウスが歩く、走るなどした時に骨に加わる衝撃を弱めたところ、
骨細胞でCasが核外に分布し、NF-κBの活性を低下させることができず、
骨破壊へのプロセスが活性化され、骨量が減少することがわかった

また、骨細胞でCasが欠損する遺伝子改変マウスでは、普通に運動している状態でも、
骨に衝撃が加わらない状態と同様に骨量が減少していた

骨に衝撃を与えた時に起きる骨内の組織液(間質液)の流動で骨細胞に加わる力学的刺激を培養骨細胞に加えたところ、Casが核内に分布しNF-κB活性を低下させ、破骨細胞分化へのプロセスを抑制していた

この培養骨細胞への10分間の力学的刺激の効果は、その後24時間以上持続したという

骨への衝撃の効果だけでなく、骨以外の組織でも「間質液流動→細胞に力学的刺激→Casが核内に分布→NF-κBの活性抑制」という分子の仕組みが、運動の炎症抑制・抗老化効果に関与しているという

今回の研究は、間質液の動きを促進することが健康維持法としての運動の本質であり、
障害などで運動できない人にも適用可能な擬似運動治療法の開発につながる可能性がある